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内科、小児科、心療内科などの総合病院|笠井クリニック|東京都福生

甲状腺

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甲状腺外来

甲状腺の病気で本当にすぐさま命に関わるのは甲状腺未分化がん(甲状腺悪性腫瘍の3~5%)くらいのものです。甲状腺分化がんの多くを含め、橋本病やバセドウ病など長く病院とつきあわなければならない病気もありますが、基本的に適切な診断・治療を受ければ、もととなんら変わらない生活が続けられます。

甲状腺の病気にかかった人は、どういう症状から病気に気づき、病院を訪れるのでしょうか。病気の種類によって症状はそれぞれ異なりますが、一般的には次のような症状をきっかけに、受診する人が多いです。

1.くびの前部のはれ

一番多い症状がくびのはれ、すなわち甲状腺腫です。鏡などを見て自分で甲状腺腫に気づくこともあれば、ほかの人に指摘されて病院を訪れる人もいます。

2.甲状腺の機能異常による症状

甲状腺の働きが亢進したり低下すると、下記のようなさまざまな症状が現れます。詳細は各病気ごとにご説明しますが、こうした症状をきっかけに受診する人も少なくありません。

  • 安静にしているのに、心臓がドキドキする
  • 手指が細かくふるえる
  • 暑がりになり、水をよく飲み、汗をたくさんかく
  • よく食べているのにやせてきた
  • イライラしやすくなった、落ち着きがなくなった
  • 体が冷え、寒がりになった
  • 肌が乾燥し、カサカサになった
  • 体が重く、だるく感じるようになった
  • 食欲がないのに太ってきた
  • 朝起きた時に、顔や手がむくむ
  • 便秘をしやすくなった
  • 昼間も眠く、居眠りをするようになった
  • 脈がゆっくり静かになった
  • 月経が不順になった
  • 首がはれている

3.眼球突出

甲状腺の病気の一種であるバセドウ病では、眼が出ることが代表的な症状のようにいわれています。すべての人で眼が出るわけではありませんが、眼の症状をきっかけに受診する人もいます。

4.健康診断などでの指摘

自分では健康なつもりでいる人でも、健康診断や人間ドックで甲状腺のはれが見つかったり、血液中の甲状腺ホルモン濃度を調べて異常が発見されることもあります。

以上が、受診のおもな動機になります。のどが詰まる、のどに異常な感覚がある、などの症状から甲状腺の病気を疑う人がいますが、甲状腺の病気では、そのような症状が出現することはあまりありません。
甲状腺は内分泌器官です。したがって、可能な限り内分泌の専門医をご受診いただいたほうが良いと思います。

甲状腺の病気について

病気の特徴と遺伝について

甲状腺は、心臓などと同じように臓器そのものの名前であり、病名とは違います。心臓に狭心症や心筋梗塞などの病気が起こるように、甲状腺にも特有な病気が起こります。しかし、甲状腺に起こる病気はひとつではないため、「甲状腺が悪い」と言われたとしても、それだけでは何の病気かはわかりません。

甲状腺の病気の特徴について

甲状腺の病気には、甲状腺の「働き」の変化と「形」の変化という2つの特徴があります。病気によってその両方の変化が現れたり、あるいはどちらか一方だけが現れたりします。

■甲状腺の「働き」の変化
甲状腺ホルモンをつくる働きが異常を起こし、甲状腺ホルモンが過剰になったり不足したりするもので「甲状腺機能の異常」といいます。

【甲状腺機能亢進症】
甲状腺ホルモンの合成が多すぎると、全身の代謝が過度に高まります。

【甲状腺機能低下症】
甲状腺ホルモンの合成が少なくなると、全身の代謝が低下します。
■甲状腺の「形」の変化
甲状腺がはれたりしこりができたりして形態的に変化するものです。このはれを「甲状腺腫」といいます。

【びまん性甲状腺腫】
甲状腺全体がそのままの形で大きくなったもの。
 
  • 単純性びまん性甲状腺腫
    びまん性甲状腺腫があるだけで、ホルモンの合成に異常のないもの。将来バセドウ病や橋本病に変わる場合がある。
  • バセドウ病
    甲状腺を刺激する物質があるために、ホルモンの合成が高まりすぎるもの。動悸がしたり、目が出たりすることもある。
  • 橋本病
    甲状腺に慢性の炎症が起こったもので、慢性甲状腺炎ともいう。ホルモンの合成に異常がないことも多いが合成が低下することがある。また、ホルモンが一時的に甲状腺からもれ出ることがある(無痛性甲状腺炎)。
  • 亜急性甲状腺炎
    甲状腺がはれて痛みがある。しばしば発熱もある。ホルモンが一時甲状腺からもれ出るために、バセドウ病のような全身的な症状が出るが、次第に正常になる。再発はまれ。
【結節性甲状腺腫】
甲状腺の一部にしこりができるもの。
 
  • 腫瘍性疾患
    甲状腺に腫瘍ができる。大部分のものはホルモンの合成には異常がない。ふくろ状になったなかに液が溜まるもの(嚢胞)もある。

各病気については、それぞれの項目で詳しくご説明します。なお、何か疑問点がありましたら遠慮なくご相談ください。

甲状腺の病気と遺伝について

■どれくらいの確率で遺伝するのか
バセドウ病、橋本病、ある種の甲状腺腫瘍は、ある程度遺伝と関係があるといわれています。
「親がバセドウ病や橋本病の場合、子どもが甲状腺の病気を発病する確率は何パーセントくらいなのか」という質問がよくありますが、この点についてはまだはっきりした答えがありません。まったく同じ遺伝子をもつ一卵性双生児でも、2人ともバセドウ病になるのはだいたい35%程度といわれています。
このように、甲状腺の病気は遺伝だけで起こるわけではありません。しかし遺伝以外に何が原因なのかはわかっていません。ただし、親と子どもは遺伝子が完全に同じではないので、親子ともバセドウ病になる確率は一卵性双生児に比べて低いことは確かです。
また、遺伝しているとしても、男の子の方が発病しにくい病気です。
■発病は予知できるのか
確実に予知する方法はいまのところありません。しかしバセドウ病や橋本病は、発病する前に甲状腺がはれてくることが多いので、これがひとつの目安になります。このはれがある人は、家系内にバセドウ病や橋本病の人がいる場合がよくあります。
こうした場合はほかの人より発病することが多いため、半年か1年に1度くらいは診察を受けられた方が安心です。
■いつ頃から調べたらよいか
遺伝子に異常があった場合、生後すぐに発病する病気もありますが、発病しないものもあるなどさまざまです。甲状腺の病気が発病するのは生まれてからかなり経った後のことが多く、幼児期や小児期の発病はまれです。バセドウ病の人のうち、15歳未満の子どもは3%にすぎません。したがって、小さいうちはあまり神経質にならなくても大丈夫です。ご心配ならば、小学校入学頃に1度お子様をお連れください。甲状腺がはれていても、あまり小さいうちは症状がなければ検査は必要ないでしょう。
あとは年1回くらい見ていればまず安心です。
なお、子どもの発病が先で、あとから親や祖父母が発病することもあります。
■甲状腺の病気はこわくない
「こわくない」というのは、専門家による診察を受け、医師の指示通りにするという条件つきです。遺伝するのではないかと心配するよりは、定期的に検査を受けて、その都度確かめる方が合理的です。
高血圧症や糖尿病も遺伝が関係する病気といわれていますが、甲状腺の病気はこれらの病気より治療が容易です。治るまでに時間のかかることはあっても、定期的に通っていれば普段と変わらずに生活できますし、将来ほかの臓器に悪い影響が出てくることもありません。
■妊娠・出産について
母親の病気がきちんとコントロールされていれば、普通の妊娠や出産と同じ注意で大丈夫です。病気の最中に妊娠し、出産したからといって、病気が遺伝しやすくなるわけではありません。
時には、生まれて間もなくバセドウ病の症状が出る子どももいますが、これはあくまでも一時的なものであり、遺伝とは違います。

いまのところ、遺伝に関してわかっていることはこの程度です。しかし医学は日々進歩していますので、新たなことがわかりましたら、その都度みなさまにお知らせします。ここに記載したものと違った情報に出会われた場合は、心配する前にまずご相談ください。

甲状腺の役割

甲状腺は、体の新陳代謝を盛んにするホルモンを作る臓器です。
胃腸の病気や肝臓の病気と違って、「甲状腺の病気」といわれても、なかなかピンとこない人が多いと思います。いったい甲状腺はどこにあり、どういう働きをしているのでしょうか。甲状腺の病気を理解するために、まずは甲状腺の位置と働きについてご説明します。

甲状腺の位置と大きさ

甲状腺はくびの前方、のどぼとけのすぐ下にあります。大きさは、縦が4cmほどで、重さが18g前後です。ちょうど蝶が羽をひろげたような形で、すぐ後にある気管(肺につながる空気の通り道)を抱き込むようについています。
ごく薄く柔らかい臓器なので、普段はくびを触ってもわかりませんが、少しでもはれてくると、手で触ることができます。さらに、ある程度以上に大きくなれば、くびを見ただけではれがわかるようになります。そのため、「くびの腫れ」から甲状腺の病気に気づく人も少なくありません。

甲状腺の機能

人の体では、性ホルモンをはじめさまざまな種類のホルモンが作られています。
ホルモンを作る臓器を内分泌器官といいますが、甲状腺は内分泌器官のひとつであり、食物(おもに海藻)に含まれているヨウ素(ヨード)を材料にして甲状腺ホルモンを合成しています。

甲状腺ホルモンとは

食物として摂取されたたんぱく質、脂肪、炭水化物は、代謝されて体の組織を作るために利用されたり、エネルギーになったりします。甲状腺ホルモンには、こうした新陳代謝の過程を刺激したり促進したりする作用があります。胎児の発育に重要な働きをしたり、子どもの成長を促したりします。
甲状腺ホルモンには、ヨウ素(ヨード)の元素を4つ持っているサイロキシン(T4)と、3つ持っているトリヨードサイロニン(T3)の2種類があります。
甲状腺ではおもにT4を作っていて、このT4が肝臓などにいってT3になり、これがホルモンの働きを発揮します。

下垂体の役割

体内では、血液中の甲状腺ホルモンが常に一定の値を維持できるような仕組みが働いています。これをコントロールしているのが、脳の下垂体という部分から分泌される甲状腺刺激ホルモンです。このホルモンは、甲状腺を刺激してホルモンの分泌を促す働きをしています。

血液中の甲状腺ホルモンが増えすぎた場合は、ちょうどサーモスタットのように、下垂体からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌量が抑えられ、自然に甲状腺ホルモンの分泌が減少してきます。逆に血液中の甲状腺ホルモン濃度が正常以下になると、甲状腺刺激ホルモンの分泌量が増えて甲状腺ホルモンの分泌を促します。こうした仕組みをフィードバック機構といいます。そのおかげで、血液中の甲状腺ホルモンの量は、常に一定の範囲を維持しているのです。

単純性びまん性甲状腺腫

単純性びまん性甲状腺腫とは

この病気は、甲状腺が全体的にはれているだけの病気です。腫瘍や炎症もなく、ホルモンにも異常がありません。年齢的には思春期(成長期)に多く見られます。
しかし、将来甲状腺機能に異常が生じる可能性があるため、定期的に検査し、経過を観察する必要があります。

症状

甲状腺がはれるという美容上の症状以外には、これといった症状はありません。

検査と治療方法

この病気はとくに治療の必要はありませんが、定期的に血液検査や超音波(エコー)検査を行って、ホルモンと腫瘍の有無を検査する必要があります。これは、将来バセドウ病や橋本病などになる可能性があるためです。

バセドウ病

バセドウ病とは

■バセドウ病は青年・壮年に多い病気
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気、すなわち甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。
ほかの甲状腺の病気と同じように女性に多い病気ですが、その比率は男性1人に対して女性4人ほどです。甲状腺の病気全体の男女比は、男性1対女性9の割合ですから、甲状腺の病気のなかでは、比較的男性の比率が高い病気なのです。発病年齢は、20歳代、30歳代が全体の過半数を占め、次いで40歳代、50歳代となっており、青年から壮年に多い病気といえるでしょう。
 
  • 病名の由来は?
    バセドウ病という病名は、1840年にこの病気を研究発表したドイツの医師カール・フォン・バセドウにちなんで名づけられました。ドイツ医学の流れをくむ日本ではバセドウ病と呼ばれていますが、ドイツ語圏以外の国では、もうひとりの研究者であるイギリス人医師の名前にちなんで、グレーブス病と呼ばれています。
■バセドウ病の原因は「自己免疫」
バセドウ病は、甲状腺の機能が亢進し、過剰に甲状腺ホルモンを作る病気です。では、なぜこうした異常が起こるのでしょうか。
実は、その異常には免疫が関係しています。免疫は侵入した外敵を攻撃し、健康を維持するための大切な仕組みです。ところが、まれに自分自身の体を攻撃目標とする抗体を作ってしまう病気があります。これを「自己免疫疾患」といい、バセドウ病もこの一種なのです。
バセドウ病の場合は、甲状腺を異常に刺激する抗体が自分の体のどこかで作られています。なぜ自分の体を攻撃する抗体が作られてしまうのかはわかっていません。この抗体が、甲状腺刺激ホルモンの代わりに甲状腺を刺激し、どんどん甲状腺ホルモンを作らせてしまうのです。また、バセドウ病の人の15%くらいは親・兄弟も同じ病気にかかっており、このことから考えると、遺伝的な素質もある程度関係しているようです。
バセドウ病を根本的に治療するのは、難しいこともあります。しかし、バセドウ病特有の症状を起こしているのは、血液中の過剰な甲状腺ホルモンです。したがって、血液中の甲状腺ホルモンの量を正常にコントロールしていれば、健康な人とまったく変わらない生活ができるのです。そして現在の治療は、いくつかの方法でそれを実現しています。つまり、きちんとした治療を受ければ、健康で生き生きとした生活を送ることができるのです。

橋本病

橋本病とは

橋本病は、九州大学の外科医であった橋本策(はかる)博士が1912年(大正元年)に、世界で初めてこの病気に関する論文をドイツの医学雑誌に発表したために、博士の名前にちなんでつけられた病名です。
橋本病は「慢性甲状腺炎」ともいいますが、この名はこの病気の成り立ちに由来するものであり、甲状腺に慢性の炎症が起きている病気という意味で、このように呼ばれることもあります。
甲状腺の病気は、どれも女性の方がかかりやすいのですが、橋本病は甲状腺の病気のなかでもとくに女性に多く、男女比は約1対20~30近くにもなります。また年齢では20歳代後半以降、とくに30、40歳代が多く、幼児や学童は大変まれです。

橋本病は、甲状腺に炎症が起きている病気ですが、細菌が入り込んで化膿するといった炎症ではなく、「自己免疫」の異常が原因で起きる炎症です。自己免疫で起こる病気はいくつかありますが、何がきっかけでこのようなことが起こるのか、いまだにはっきりしていません。橋本病はある種のリンパ球が甲状腺組織を攻撃して起こるらしいといわれています。

亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎とは

甲状腺の病気は、甲状腺がはれても痛みはない場合が多いのですが、亜急性甲状腺炎は痛みがあります。
「亜急性」というのは、急性よりは長く続くという意味です。とはいっても、慢性化することはありません。
甲状腺がはれて痛みがあるため驚く人も多いでしょうが、治りやすく、再発することが非常にまれな病気です。
この病気では、女性は男性の12倍ほどかかりやすく、30歳代、40歳代の女性に圧倒的に多い病気です。
亜急性甲状腺炎の原因ははっきりしませんが、よく鼻やのどの炎症に続いて起こることがあります。そのため、ウイルスが原因ではないかと言われています。季節的には夏に多いですが、寒い時期にもみられます。なお、ウイルスが原因ではないかといっても、他人に感染する心配はありません。

症状

亜急性甲状腺炎は、甲状腺のはれ(甲状腺腫)とともに痛みや発熱があるため、非常にわかりやすい病気です。甲状腺のはれは、全体に硬くはれて痛むこともありますが、たいていは左右どちらか1カ所が硬くはれ、押すと痛みがあります。時には、触ると飛び上がるほど痛いこともあります。耳の後や奥歯の痛みとして感じることもあるので、耳や歯の病気と思われることもあります。また痛みとはれの部位は、しばらくすると右から起こったものは左へ、左から起こったものは右へと移動することがあります。

この病気は、甲状腺の機能亢進を伴うことが少なくありません。そのため、バセドウ病と同じように動悸や息切れ、発汗、倦怠感などの症状が現れますが、バセドウ病とは亢進症のメカニズムが異なります。バセドウ病の場合は、甲状腺が甲状腺ホルモンをどんどん合成して血液中に分泌していますが、亜急性甲状腺炎の場合は、炎症によって甲状腺の組織が破壊されることで、甲状腺に蓄えられていた甲状腺ホルモンが急激に血液中に流れ出して濃度が高くなります。
したがって、甲状腺機能の亢進が長期に続くこともありません。

検査と治療方法

痛みや発熱など症状がはっきりしているため、亜急性甲状腺炎の診断は比較的簡単です。血液検査をすると、赤血球沈降速度(赤沈)が異常に低下していることや、炎症によってCRPの値が上昇していることでわかるので、検査ではこれがひとつの決め手になります。このほか、アイソトープ(放射性ヨウ素)検査をすると、甲状腺にヨウ素が取り込まれていないことがわかるので、甲状腺の機能が亢進していても、バセドウ病と鑑別できます。
治療は、副腎皮質ホルモン剤が非常によく効きます。たいてい服用した翌日には、痛みもケロリと治り、熱も下がります。ただ、すぐに服用をやめてしまうとぶり返すことがあるので、2ヶ月ほどかけて様子を見ながら、徐々に薬の服用量を減らしていきます。なお、バセドウ病に使う抗甲状腺薬は効きません。
もともと自然に治る性質の病気ですので、こじれて慢性化することはなく、再発もめったにありません。
症状が激しい時期は、なるべく安静にして入浴も控えた方がよいでしょう。食べ物はとくに制限はありません。

腫瘍性疾患

腫瘍性疾患とは(腫瘍の種類と特徴)

■甲状腺のしこりについて

甲状腺のしこりは、めったに機能異常を伴わず、悪性であっても多くは根治が期待できます。
甲状腺のはれ方には、バセドウ病や橋本病などのように甲状腺全体がはれる「びまん性甲状腺腫」と、甲状腺が部分的にしこりのようにはれる「結節性甲状腺腫」があります。
甲状腺の腫瘍は、いずれも20歳代から50歳代の女性に多く、しこりがあるだけで、ほかには何も自覚症状がないのが特徴です。
しこりというと、すぐに頭に浮かぶのは、がんのことだと思います。甲状腺の腫瘍は、良性と悪性、さらに腫瘍とよく似た「過形成」という状態がありに分類されます。過形成は正常組織と同じように細胞が増殖したもので、良性です。一番注意しなければならないのは、がんなどの悪性腫瘍です。したがって検査では、良性か悪性かを鑑別することが重要な目標にされています。

しかし、仮にがんであったとしても、甲状腺のがんのほとんどは非常にたちがよいといわれ、他臓器のがんと比べて進行が遅く、比較的治しやすいがんです。ですから、過剰な心配をしないで治療に臨んでください。

【甲状腺の良性腫瘍 : 腺腫】
腺腫は良性腫瘍腺腫は、甲状腺の左右どちらか一方にしこりがひとつだけできるのが特徴です。男女比は1対10くらいで、女性に多い病気です。大きさは、触るとやっとわかる程度のものから、下が向けなくなるほど大きなものまであります。しかしどんなに大きくなっても、呼吸が苦しくなったり、ものが飲み込みにくくなるようなことはほとんどありません。
ごくまれに、しこりが甲状腺ホルモンを過剰に生産し、バセドウ病のように甲状腺機能亢進症の症状を現すことがあります。これは、この病気を初めて報告したアメリカの医師の名前をとって、プランマー病(中毒性単結節性甲状腺腫)と呼ばれています。日本人にはまれといわれていましたが、最近は検査法の進歩により発見されることが多くなりました。

副甲状腺の病気について

副甲状腺の役割

副甲状腺は、甲状腺の裏側にある米粒の半分くらいの大きさの臓器です。
「副」甲状腺と言いますが、甲状腺とはまったく別の臓器であり、「上皮小体」とも呼ばれています。通常、甲状腺の左右両葉の裏面の上下に2対、合計4個あります。

ここでは副甲状腺ホルモンを分泌しています。名前は似ていますが、甲状腺ホルモンとはまったく違い、「カルシウムの代謝の仲立ち」をするホルモンです。
カルシウムは骨の材料であるだけでなく、心臓も含め全身の筋肉を収縮させたり、血液を固まらせたりするのにも欠かせません。さらに、脳細胞が働く上でもなくてはならないミネラルです。
カルシウムの貯蔵場所は骨ですが、副甲状腺ホルモンはビタミンDと共に、カルシウムを骨から血液中に送り出したり、腎臓や腸から吸収したりして、血液中のカルシウム濃度を上昇させる働きをします。
また、カルシウムの方にも副甲状腺ホルモンの分泌を調節する働きがあり、血液中のカルシウム濃度が下がると副甲状腺ホルモンの分泌が高まって濃度を上げようとします。逆に血液中のカルシウム濃度が高すぎると、副甲状腺ホルモンの分泌が減り、濃度を下げようとします。このようにして、血液中のカルシウム濃度は一定に保たれます。

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